[ S w i n g ]
ふと、気が付いたら、スギが何か神妙なおももちでこっちを見ていた。
「・・・どしたの?」
多分スギと同じような神妙な顔をして、問いかける。
「君にね、何かブランコについて話そうとしてた筈なんだけどね」
「うん」
「忘れちゃった」
「・・・うん?」
そんなことをスギは、さらに真剣に考え込む。
「なんだっけ、さっきまでたしかに覚えてたんだけどな」
本気で、悩んでいる。
ここだけを見ると、ブランコについて何を言おうとしていたか悩んでいる、
なんて下らないことには思えないだろう。
「スギ〜?」
「まって!今思い出しかけてるんだから!」
そんなにムキになるほど大切な話なんだ、ブランコって。
一生懸命 記憶をたどっているであろうスギは気付かなかったろうけど、思わず吹き出してしまった。
「ねえ、スギ?」
「ちょっとまってってば」
「ずっと考えてていいよ」
「はい?」
「思い出したらきかせてよ、ブランコの話」
スギはきょとん、というよりぽかんとこっちを見た。
おもしろい顔するなあ、こいつ。
「今日はスギが思い出すまでここにいるからさ」
「馬鹿にしてるね?」
スギが笑う。
「してないって」
それにつられるように笑い返してやった。
「君が期待してるような事は起きないよ、すぐに思い出すから」
もうこのへんまで出かかってるもん、と こめかみの部分をさす。
近いのか遠いのかよくわからない。
「まあ、気長に待つよ」
「やっぱり馬鹿にしてる」
「してないさ」
君はいつも一緒にいて飽きないから
新鮮な空気で生き返るように
ここにいればいつだって再生できる
風を切る
高いとこのきれいな空気を求めて
君はできる力でせいいっぱい漕ぐんだね
青空を目指して
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