2 1 t h t i t l e : 「 大 変 だ ! 」





















「大変だ!」



めずらしく天気の悪くない朝。

碧眼の青年は時計の文字盤を目にしたとたんに顔色まで青くした。

大慌てで身支度を整えてダイニングへ向かう。



「エドワードさん!」



アルフォンスとは裏腹に、呑気にコーヒーなどすすっていたエドワードは、彼の姿を認めて笑いかけた。



「おはよ、アルフォンス」

「どうして起こしてくれなかったんですかっ!?」



珍しく落ち着きのないアルフォンスにコーヒーを入れるために立ち上がりながらエドワードは申し訳なさげに苦笑する。



「起きてこないから今日は休みなのかと思ってさ」



久々の休暇ならばゆっくり寝かせておいてやるつもりだったのだ、と。

気持ちは有り難いがエドワードの読みは見事に外れていた。

アルフォンスは脱力したように席に着く。



「・・・単に目覚まし掛け忘れたんです」

「ふーん、お前でもそういうことあるんだな」



エドワードはそう笑いながらフライパンを火に掛けようとした。



「 あ、エドワードさん僕コーヒーだけで」

「遅刻決定なんだろ。朝飯くらいゆっくり食ってけば?」



1分だろうが1時間だろうが遅刻であることに変わりはない。

同じ遅刻なら下手に焦るよりはゆっくりしたほうが得ではないか。

と、いうのが彼の持論らしかった。

たしかにもっともな意見だが、呑気なエドワードにアルフォンスは苦笑いを返す。



「けど今は少しでも多くロケットに関わっていたいから」



エドワードはやれやれと肩をすくめてみせた。

それから、まるで意固地な弟にでも降参したように笑う。



「あんま無茶し過ぎて倒れんなよ」

「 ありがとう。じゃあ いってきます、エドワードさん」





今、エドワードが心配してくれたのは彼の弟のアルフォンスではなく自分だった。



少しだけ自惚れてもいいことに決めて、アルフォンスは道を急いだ。





















0:21 2006/02/28






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ほんとはもっと書きたいことがいっぱいあった。デリヒは好きだからまた書こう。



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